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4Kだけではない? テレビ市場が安定している理由

2017/05/01 12:11

 2015年から16年にかけて、縮小が続いていた液晶テレビ市場。16年3月には販売台数伸び率(前年同月比)が6割台まで低迷していたが、同年9月からは継続してプラスとなった。市場が堅調に推移し始めた大きな要因は、4K対応テレビの販売増だが、それ以外にも、非4K対応テレビの平均単価下落や使用耐用年数の経過に伴う買い替え意向増が影響していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」から分かった。ここでは、市場安定化の要因とその動向について分析していく。


 まず、15年3月時点における4K対応テレビの販売台数を「1.00」とした指数で、販売動向をみていこう(図1)。市場全体の伸び率がマイナスで推移していた時期は、4K対応の台数指数も「1.00」~「1.50」程度だったが、2倍を超えた頃から、前年同月比はプラスに転じた。16年12月には「3.54」まで伸びている。このことから、4K対応の売れ行きがテレビ市場全体に大きく関与していることが分かる。

 ただ、市場全体に占める4K対応テレビの構成比は、いまだ3割未満。ハイビジョンやフルハイビジョンが主流であることに変わりはない。そこで、4K対応以外を非4K対応テレビとし、販売台数伸び率と平均単価をみると、伸び率は15年6月以降はマイナスで推移。落ち込みが最も大きい月では、前年同月比で半分にも達した。しかし、前年割れにあるとはいえ、ここ数か月は、マイナス幅が1割前後と小幅にとどまる。平均単価も15年9月には5万7000円と高値となったが、17年3月には約4万円にまで下げている。このことから、非4K対応テレビの単価の下げが市場回復を後押ししている、とみることができる(図2)。


 また今後は、より4K対応製品の増加および大画面化が進むことで、メーカーシェアも変化することが予想される。2年前と比較すると、4K対応や大画面に強いパナソニックとソニーが躍進する一方で、シャープと東芝がシェアを落としている(図3)。シャープは当時4割以上のシェアを獲得し、長年トップの座を維持してきたが、17年3月には2割台まで後退。このままでは、パナソニックとソニーにトップを奪われてしまうほど勢力図は変化しているのだ。同様に東芝も先行する2社に引き離され、販売台数を伸ばすHisenseの追随を許す展開となっている。日本メーカーの4強時代は、徐々に崩れつつある状況だ。

 4K対応テレビの需要増と非4K対応テレビの平均単価下落のほかにも、市場安定の要因となっているのが、消費者の買い替え意向の高まりだろう。2011年のアナログ停波による特需から6年。その当時の購入者にとっては、使用耐用年数にそろそろ近づきつつあることも、需要を刺激する要因とみることができそうだ。

 6年前と比べて、テレビの画面サイズは大型化し、ハイブリットキャストやデータ放送の利用も広まった。海外メーカーの存在感も増しており、ユーザーニーズも多様化しつつある。こうした動きを受けて、市場がどう変化していくのか、引き続き注目していきたい。(BCN アナリスト 山口渉)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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